最初に
建設業で働くうえで業種に応じて様々な資格が必須になってきます。当然ながら自己負担だけでなく会社負担で取得した資格もたくさん持っている人が多いはずです。そんな資格証ですが退職の際にトラブルになることが意外と多いという話を聞きましたので今回はそれについて記事にしました。
資格の種類
建設業で取得できる資格としては管工事施工管理技士のような国家資格のほかに、技能講習、安全教育で取得できる資格が多く存在します。
教習所に行き取得できる資格は技能講習としては足場の組立て等作業主任者技能講習、玉掛け技能講習、小型移動式クレーン運転技能講習などがありますが、それぞれそれなりの費用が必要になります。仕事で使う資格の場合は会社負担で資格取得することが一般的になっています。
建設業の世界は資格がなければ何もできません。できることが大事なのではなく、資格を持っていることが一番大事です。いくら操作や作業が出来たとしても無資格で事故を起こしてしまえば会社存亡の危機です。その為、業務で使用する資格は取得必須となってきます。建設業で無資格作業は許されない事案です。
会社負担で取得した資格は誰のもの?
建設業は「きつい・汚い・危険」の3Kと呼ばれることもあり離職率が高いと思われがちですが、実際には他の産業と比べて離職率は低い傾向にあります。だからといって離職しない社員はいませんし、同業他社への転職もよくある話です。
資料参考元 2022 時短アンケートの概要 – 日建協
上記資料は日本建設産業職員労働組合協議会が2023年4月に発表した、「2022時短アンケート」からの抜粋です。この資料によるとに今すぐに会社を辞めたいという人こそ少ないもののかなりの比率で退職もしくは転職を視野に入れているという結果が出ています。
ここで問題になるのが、転職の際に会社に提出していた施工管理技士などの資格証明書です。退職時に返却を求めたところ色々と理由をつけて返却されないという事案が発生しているようです。会社負担で取得していることが多い技能講習などの資格証は現場での作業時に携帯が義務づけられているので会社に原本を預けることはありませんが、施工管理技士などの資格証明書を預けている人は多いのではないでしょうか?
この封筒は施工管理技士の合格証が入っていた封筒ですが、合格証を勤務先に預けないでと大きく記載されています。よく聞く話ですが同業他社への転職の際に資格証の返却を拒む企業が多いこともあり再発行につながっています。
会社負担で取得が奨励されている企業も多いようですが、取得した国家資格は企業の所有物ではなく取得した社員本人の所有物であることを再度認識するべきでしょう。
まとめ
比較的簡単に取得できる技能講習や安全教育と比べて国家資格はプライベートの時間を削って勉強した個人の努力の結果です。
全ての勉強時間に賃金を払っている企業というのはほとんど存在しないでしょうし、不合格した場合の再試験費用も負担し続ける企業もどれくらい存在するのでしょうか?おそらくはほとんど存在しません。
特に資格証を意図的に返却しないようなモラルの欠如した企業は一切の費用負担を指定ない可能性すらあるでしょう。個人的に思うのは資格証再発行の際に理由を記載させて、雇用企業の過失であれば複数回同様の紛失事案があった際には何らかのペナルティを貸すべきではないかと思っています。
資格証を返却してくれないなどの嫌がらせにあった人がいればコメント欄に書き込んでいただければ、その悔しさを共有したいと思います。