最初に
少し前に
先月これから残業代出るからと会社に言われるものの
現場までの移動3.0H
工事8.0H
現場からの帰社3.0H
これを20日間現場までと会社までの移動は直行直帰扱いだから労働時間に含まないよ
6H×20日 120Hの残業は消えました。違法じゃないのこれ?ブラック企業〇ね#残業代#残業代未払い#施工管理— 配管くん@転職した4号機時代からの元パチンコ店管理職 (@grXoAKbhHIfVRVD) July 13, 2023
こういった実質残業なのに残業代が不払いということをTwitterで呟きました。その直後にこういったニュースが出ています。
清水建設社員が過労自殺 自ら勤務時間を過少申告、時短目標が影響か
引用元 朝日新聞デジタル
スーパーゼネコンのうちの1社ということでかなりの高給だとは思いますが、時短目標以上の残業代が払われないことに不満を持ち絶望をしたのか?終わりの見えない残業に絶望をしたのか?鬱病を発症して正常な判断が出来なくなっていたのかは分かりませんが、
建設業の長時間労働問題の犠牲者であることは間違いありません。
今回は建設業の長時間労働について書いていきます。
建設業の長時間労働について
建設現場内にて職人や作業員が常識外れの残業をすることはほとんどありません。
現場内と書きましたが現場では作業時間が決まっている為にいくら工期が厳しくても朝5時から深夜2時までなどの21時間労働など無茶苦茶な作業はできないからです。
しかし労働時間は現場だけの作業ではありません。今回の清水建設の場合は現場での作業はほとんどないかのしれませんが、現場の管理に必要な書類の作成、許可資料作成、安全書類、工程管理などの多岐にわたる書類管理が原因だと私は思っています。
しかし建設業のトップ企業の一つとしては長時間労働に関して取り組んでいるという姿勢が必要なので時短勤務が成功しているということにして、裏では残業が行われているというのが常態化していたというごくごく当たり前のことでしょう。下手をすれば役員以外は知らないが、それ以下の役職者はみんな知っていたということはあるかもしれません。馬鹿ではなく優秀な人たちの集まりなので、そこのところはご想像にお任せします。
建設現場の労働実態について
現場内で8時間以上、特に12時間以上の作業時間を容認しているところは知りません。
しかしこれは現場内の話だけであって作業の準備、移動時間を含めると12時間以上の勤務というのも珍しくありません。私の少し前の現場の話ですが
①会社から現場までが高速を使って3.5時間(約200km移動)
②現場内での作業が8時間
③現場から会社までの移動時間が3.5時間(約200km移動)
④会社に戻って翌日の準備が2時間
約2か月の間は1日17時間労働をしていました。しかし現場への移動は直行直帰ということで労働時間には含まれず自宅から現場、現場から自宅という扱いにされて残業代は全く支給されません。現場内の作業だけが労働時間とみなされました。手取りは19万ぐらいです。
当然ながら離職率は高く、資格を取得して辞める人が多いので約3年で人が入れ替わるので技術レベルも低い状態です。当然ながら教えてくれる人もおらず独学に近いレベルです。
5年勤務の社員が一人だけいますが全くやる気もなく、自分が本気でやりたくない仕事の場合はわざと元請けを怒られせるのできつい仕事はまわってきません。現場代理人が0だと仕事を受けられないので仕方なく辞めさせることができず在籍させているような感じです。
実は今回の残業のツイートに関してこういった意見が届きました。
おそらくこの人は現場に入ることがあっても元請けの立場が多く、実情を知らないのかもしれません。もしかすると経営者であってもおかしくない、そうでなければ建設業界の老害といっていいほどもの問題を引き起こした元凶のひとつでしょう。
さてここまでいろいろと書きましたが、現場レベルでここまでの残業が横行していると元請け、1次会社に提出すべき書類が遅れがちになります。そしてそのあおりを受けるのは元請けであるスーパーゼネコンなどです。提出された書類に不備があれば指摘だけで済めばいいです改善の見込みがなければ書類を修正する作業まで行ってくれていたかもしれません。スーパーゼネコンを悪く言う人も多くいますが実務レベルではよい人も多くそういった人ほど疲弊していく傾向にあります。
残業についてのまとめ
建設業の残業時間超過には様々な理由が存在します。しかしその中で一番問題なのは
残業手当の不払いが一番の原因です。
なぜならば残業代が適正に支給をされないなら、会社としても経費は増えないので残業超過を改善する理由がなくなります。改善するには当然ながら人員の増強などの人件費の増加、宿泊費の増加などが避けられません。
よく聞く話ですが、残業代や宿泊費を支給していれば当然ながら見積もりの金額も上がることになります。そうなると仕事がもらえなくなり給料支払えなくなるけどいいの?
という人がいます。こういった考えをする人が一定数いることで適正価格にならず問題がどんどんと悪化しています。数年後には職人の不足、施工管理技士の不足が今よりも悪化して施工不良の問題がもっともっと増えるでしょう。
これか建設業にかかわる人は増えないでしょうし、人不足の慢性化が当たり前になるでしょう。いまは見積もりを見て施工業者を選ぶ時代かもしれませんが、そのうち逆になり選ばれないと施工してもらえない。そういった時代が目の前に来ていると思うべきです。
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