専門的な知識がなくてもなれる現場代理人
建設業に入って一番恐ろしいと思ったのが、専門知識がなくてもなれてしまう現場代理人=現場監督です。
工事現場の監督というのは専門知識や国家資格を持たないとなれないものだと思っていましたが、実際には正社員であればなることが出来ます。施工の管理、品質の確認については別途で主任技術者という人がいますが、全ての現場で常に常駐していて全ての作業の監視をしているわけではありません。
素人監督が現場でただ見ていて適当に写真を撮影していて、大事なところだけ主任技術者や上司、先輩が見に来るというのもよく聞く話です。
無資格の素人が現場監督をして完成した建物や設備….これって恐ろしくないですか?
現場は親切な人ばかりではない
右も左も分からない新人監督が現場にいて困っていても親切な職人や下請け業者だけが現場にいるわけではありません。
手際が悪いと怒るだけでなく、バレないと思い適当な作業をするような職人もたくさんいるのが悲しい現実です。埋め戻しの転圧も数回に分けで行うのが普通ですが、車道になるところであっても適当に土で埋め戻して一度の転圧だけで終わらせて知らんぷりするというのも何度か目にしました。浄化槽の柱もボイド管にコンクリートを注入するのではなく、ショベルカーでコンクリートを上から落として入れるだけ。ボイド間の中はコンクリートがちゃんと入っておらず中はほとんど空洞という最低の業者も見たことがあります。
知らないからどうせ何も指摘されない、言われないと適当なことをする下請け業者がどれだけ多いことか….
現場の施工を写真や記録に残し管理する人、それが施工管理です。当然ながら最低限でも知識がなければ管理のしようがありません。
施工管理は人不足が全ての根本的な原因?
施工管理をしていてホワイト企業という話を今まで聞いたことがありません。よく聞く話だと現場への移動は長距離移動でも直行直帰扱いで労働時間外、現場作業8時間を終えた後で書類仕事で+4時間。寝る暇も残業代もまともに出ない最低の仕事
そんな状況では先輩が後輩に仕事を教える時間も相談を受ける時間もありません。それが原因で不良施工の疑いがあっても相談することもできず、どんどん工事が進んだころには取り返しのつかない状況になっているというのも聞いたことがあります。特にスーパーゼネコンクラスだと発覚した時には、数十億、もしくは百億単位の損失が出てもおかしくはありません。実際にトンネルの掘削工事では工事やり直しで数百億の損失が出ています。
適正な労働時間
適正な人員配置
適正な工期
この3点を揃えることができれば現場では安心して工事を進めることができると思いますが、あくまでも理想です。しかし施工不良を起こしてしまえば金銭的損害、会社への信頼度低下という損害が出てしまいます。どの企業も基本に立ち返り施工管理の在り方について考えるべきではないでしょうか?
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引用元 東洋経済ONLINE