実技編
玉掛けの実技試験に関してですが、実際に荷を吊り上げて下すまでの作業を3人一組で行います。実技は指示役が1名、補助が2名という3名の構成で行い指示役を交代していくことになります。実技に関して覚えることは
●荷の重心の出し方
●荷の吊り方
●クレーンへの指示の出し方(ジェスチャー)
となります。
実技試験の流れ
私の通った教習所での試験の簡単な流れは
指示役が補助を2名にお願いする。
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作業内容、使う道具と吊り方についての説明を行う。
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一人にワイヤーの準備指示、一人に歯止めの準備指示、自分は玉掛け位置と重心を決める
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ワイヤーに関して指示通りのものなのか?破損などがないかの確認をする
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補助役2名に作業内容の説明
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補助役2名に避難指示と避難確認
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クレーン操作者へ自分が指示者であることを知らせてクレーンフックの位置を指定する。
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指示を出してクレーンのフックを移動する。
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フックが荷のセンターに来ているかを正面と横から確認してそのままフックに触りフックの安全ピンや可動部分に不具合がないかを確認する。
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補助二名にアイ掛けをお願いします。
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アイ部分のワイヤーのかかり具合を確認した後で荷へのワイヤーの掛かり方をチェックします。もしもワイヤーがちゃんとなってなければここで直してください。
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クレーン操作者に指示を出してワイヤーが少し張る程度に上げてもらいます。
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ワイヤーが貼ったらアイ部分の確認、角度の確認、ワイヤーの貼りの確認をして問題なければ補助者二名に誘導用の縄を持ってもらって退避指示&退避確認
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クレーン操作者に指示をだして地面から10センチ程度上げる。そして地面から無事に上がったことで「地切りOK」、「荷の安定OK」、「ワイヤーの確認OK」(重量超過でワイヤーから油が滲んでいないかの確認)をします。
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そのままクレーンを1mぐらいの高さに上げてもらい「高さ確認」「移動先の確認」をした後で補助者二名に荷の移動先に移動することを告げて移動先に移動。クレーン操作者に荷の移動先を指示して荷を旋回してもらい荷を地面から10センチまで下げる
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補助者2名に支持をだして縄を引っ張ってもらって荷を設置場所に対して直角にしてもらいます。正面と横からセンター確認します。
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正面に戻って荷をワイヤーが少し緩む程度までゆっくりとクレーンを下ろします。
そして着地ヨシの確認をします。補助者2名に縄を荷の上に置いて歯止めをしてもらった後で退避指示と退避確認
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荷をそのまま下して側面に回り込み荷を手で触って荷の安定を確認します。そして正面に回ったらクレーンを下げて補助役の人にワイヤーを外してもらいます。
そして退避指示と退避確認
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クレーンのフックを2mぐらいに上げてもらったらクレーンの操作役の人に作業終了の合図とお礼を伝えるとフックは旋回して頭上から移動します
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補助役の人にワイヤーを取り外してもらいワイヤーの曲げなどを確認した後で収納してもらいます。
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補助役2名にお礼を伝え講師に作業終了を伝えて試験終了になります。
●指示の決まった言葉や作業の流れを覚えること
●他人の作業を見る時も自分がやっているつもりで考える。
●自分が補助役の時は再確認する大チャンスです。
余談ですが、実技試験前に実技試験の一環として目測による吊り荷のワイヤー選びと吊り荷の重量計算があります。ワイヤー選びは渡された表から計算して必要なワイヤーを選ぶというものです。これは重量以下のワイヤーを選ぶと減点ですが一つ上のワイヤーまでは減点なしです。また目測による重量計算ですが、例えば長方形の立方体が目の前にあったとして見た目では約1/3のところに160㎏という表示がされていて
これは何㎏ですか?
という問題が数個出ます。これはぴったりである必要はなく、予測重量が30%まで減点なしで、上にずれている場合は減点なし、ただし重量が下の予測をすると減点というものです。なので少し重めの予測をしても大丈夫です。ただ私の受けた組ではこれで落ちた人がいます。また学科と違い実技に追試はなかったので一発アウトでしたので注意してください。
まとめ
吊り荷作業は大きな危険を伴う作業です。実際の作業現場では適当にする人も老いですが、安全確認を怠ると簡単に死亡事故が起きてしまう作業になります。
現場によっては無資格の作業員がやっているんじゃないかというぐらい安全確認が行われていない、徹底されていない現場がありますが玉掛けの講習を受けた以上、そのあたりはしっかりと改善をしていきたいと思います。
事故が起きて困るのは被害者だけでなく現場や建築に関わる全ての人です。しっかりと安全意識を持って取り組んでいきたいと思います。
【読んで欲しい過去記事】
配管工を目指す前の前職であるパチンコ店管理職時代を振り返る。